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焔に透ける

広場に組まれた薪の櫓。 日が暮れるのを待って移された炎は天に伸び 夜の空を 赤く染める。 白地に赤の刺繍の施された衣装で、炎を背に踊るのはマリカとジェイルだ。 体の動きを追うように、衣装から長く伸びた布が波打つ。 薪の燃え落ちる音。火の粉。 タールと手拍子。 夜空に溶ける鈴の音。 「はー、きっれーだなー」 いつもとは別人のように...

それは蜜の味にも似て

『ちょっと疲れたから休ませてもらうわ』 ヤン、部屋貸して。 そう言い残して、隊列から離れた。 広間から出たすぐ脇にある階段の壁に凭れかかると、リウは深く息を吐く。 ヤンの頼みだからって、ちょっと頑張りすぎたかもしれない。 完璧に許容量オーバー。 まだ書自体にも慣れてもいないのに、全開で力を使ってしまった所為だ。 体はふらふらだし、頭はがんがんす...

目に見えるものだけが全てとは限らない

「一体どういうつもりなのですか」 出て行くリウの背中を見つめていたヤンの視線が、声の主に戻る。 声の主、それはキツイ眼差しでヤンを見据えているレン・リィンだった。 両手で握り締めた杖が、小刻みに震えている。 「リウ・シエン・・・いえ長の線刻の力を解放させるなんて! 書の力を引き出すということは、 持つ者の命を削るということです。貴方は見たはず・・・わかっていた筈で...

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  かららん。 扉をあけると頭の上で音が鳴った。 薄暗い部屋。 暖色のランプが外の強い風に煽られ、店の影が一斉にゆらめく。 重い戸は、取っ手を引くまでも無く、外からの風に押されて閉まった。 「すみませーん、誰かいませんかー」 肩の水滴を払いながら、声を掛ける。 すると奥に続く開いた扉の向こうから、「ちょっと待っとくれねー」と女の声が聞えてきた。 はーい、とその声に...

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  「いっ、た、い、どん、だけ、続い、てんのー。このゴ、ツゴツ、は・・・」 肩で息をしながら握った杖に体の体重を預け、足を一歩また一歩と進めていく。 この岩ばかりの峠道に入って、もう丸1日と半分になろうとしていたが、未だ頂上にも辿りつけていなかった。 ざっと見た時は、一日もあれば抜けられると踏んでいたのに。 いや、距離にしたら大体そんなものだと思うのだ...

天神町所在地考察 1

はじめに 陰陽大戦記を見つつ私はなにやら不思議な気分になった、それはどうも天神町の全景に『見覚えがある』気がする事。 ある時、1話から見直しながら「天神町って長野県っぽいですよねー」と、知人と笑いながら話していた。が、そもそも 『お祭りで御柱を使ってなかった?』 と、気づいた。 御柱と言えば本家本元は諏訪大社。 湖と言えば諏訪湖。 しかも鳥居の有る島も存在し...

天神町所在地考察 2

天神町考察追記+最終回舞台考察 最終回を迎えた陰陽大戦記。ふと見ていた部分を止めてみたら解った事があったりなかったり。 所在地含め追記で考察を足してみたので、まあ。またアホやってるなくらいでお付き合い頂ければこれ幸い。 …写真画像が悪いのは我が家のデジカメの限界。 同じ構図でタケさんが頑張ってくれるのを希望(ここで書く。笑) 湖全景より k2-a2 k2-1...

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