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2009年02月

ノリと勢いって…

  • 2009/02/14

重要だと思うんです。

…。

今日中には絵を1枚あげたいです…。
これノリノリで描いてた3日前の私、かえってこーい。

風のさき

  • 2009/02/13

- 1 -

かららん。

扉をあけると頭の上で音が鳴った。
薄暗い部屋。
暖色のランプが外の強い風に煽られ、店の影が一斉にゆらめく。
重い戸は、取っ手を引くまでも無く、外からの風に押されて閉まった。

「すみませーん、誰かいませんかー」

肩の水滴を払いながら、声を掛ける。
すると奥に続く開いた扉の向こうから、「ちょっと待っとくれねー」と女の声が聞えてきた。

はーい、とその声に返事を返しながら、辺りを軽く見渡す。
そして扉の傍の壁に丁度いい空間を見つけると、そこに凭れ足を組んだ。
フードの隙間から脇にある窓の外、濃い灰色をしているはずの雲が雪に白く煙るのを見上げる。

「?」

ふと、気付いて窓硝子に視点を移した。
昼前から降りだした雪が、窓に叩きつけられ水になっていた。
雪が緩い。

南下してきている所為か。
いや・・・この長かった冬がもうすぐ明けるのかもしれない。

「はいはい。すまないねぇ」

聞えてきた軽快な足音と声に、視線を窓からカウンターに戻した。
部屋の奥から、女店主が前掛けで手を拭きながら現れる所だった。

自分も背中を石の壁から離すと、カウンターへと移動する。
毛皮のマントの中で手を動かして、肩に掛けていたカバンの中から布袋を取り出して台に置く。

「コレ、換金できる?」
「どれどれ」

女店主は、ふくよかな指を動かし皮袋を開けると、その布袋の中身を覗いた。

「へぇ、黒胡椒と岩塩かい。珍しいね。ここらでは中々出ないんだよ」

女は中にからひとつまみ取り出すと、指ですり合わせ舌に乗せる。

「うん、モノもいいみたいだ。いい値で買い取らせて貰うよ」
「ありがとー」

女はにっこりと頷くと、布袋の口を縛りながら再び奥に戻る。
そして、持ってきた鋼製の箱の中からコインを取り出し数えながら、女は話を続けた。

「あんた、さっきからフードも取らないねぇ。結構濡れてんじゃないか、中まで染みてんじゃないのかい?
暖炉貸してやるからここで乾かしておいきよ」
「あ、いや。だいしょーぶ。乾かしても結局外に出なきゃなんねーし」
「そう言わずにさ。声からすると若いんだろ?子供が遠慮すんじゃないよ」

カウンター越しに、女の手が伸びた。

ばさり。
水を吸って重くなったフードが背中に落ちる。

中から現れたのは、鮮やかなグリーンの色彩の髪。

「・・・」

女の目つきが驚いた、というよりも怪訝そうに細められるのが解る。
珍しいもの、というよりも異質なものをみるようだというのが近いかもしれない。

すると、今までの気さくさは何処へやら、ドンと金の入った袋をカウンターに置くと踵を返す。

「用が済んだなら、とっとと行っとくれ」

もう聞きなれた言葉だ。
こんな小さな村では、無理も無い。
金を減らされたりしない分、良心的なうちに入る。

「ありがとー」

そういい残して布袋を取る。
そして再びマントを目深に被ると、店の扉を開けた。

さっきまでのみぞれ雪は、小雨に変わろうとしていた。

村を出て半年近く。
目的地も何も決めずに、ただ歩いてきた。

樹海の村は、此処から見るとかなり北にあるのだが、 近くの海を暖流が流れているため、
年間を通して温暖で、それほど寒くなることはない。
森の育ちが異様にいいのも、その所為だ。

だから、チオルイ山脈の麓まで来たときには、その寒さに驚いた。
秋も半ば、まだ冬までには時間があると思っていたのに、もう既に山全体が深い雪に覆われていた。

慌てて 毛皮のマントを買ったが、山から吹き下ろす風は吐いた息をも凍らせる程に冷たい。

東へ抜けるには山越えするのが一番近いのだが・・・。
一応、試しに登山口まで行ってはみたのだが、足を踏み入れた瞬間、足首まで雪に埋ったのを見て
すっきり諦めがついた。

どうせ急ぐ宛てもない旅だ。
ファラモンを抜けて、フォートアークの関所近くで南下するルートを選んだ。

更に北に進路を取ることになるから寒いには違いないが、あの雪山を越えることを思えば命が危険に
晒されることはなくなるだろう。

ただし、かなり遠回りをすることになるので、持ち合わせが不安だった。
村から出る時、僅かな鉱石と金に換わりそうな香辛料を持ってきていたが、それらがすぐに底をつくことは
目に見えていたからだ。

そこで、次に向かう村の気候や風土・特性をよみ、少しでも利益が出そうなものを買い込んで出発し、
こんな風に次の村に着いてから売って路銀の足しにすることにした。
旅程が短いこともあり、大した金額にもならなかったが、宿代と食事代はそれで何とか賄うことができた。

路銀の件はそれで解決したのだが、もう一つの"困ったこと"はどうしようも無かった。

それは、自分の容姿が道行く人たちと雰囲気を異にしている(らしい)、ということだった。

近場に住んでいたポーパス族・・・程ではないと思いたいが、どうも浮いて見えるようなのだ。
青緑がかった髪と、異様に色素の薄い肌の所為、らしい。
確かに、この髪の色は村でも珍しい色だとは言われてはいたが・・・。

途中出会ったランブル族の人間にさえ、何処の出身なのか聞かれた程で、
一度など、ファラモンに向かう途中に泊まった宿屋で、夜中ふらっとトイレに起きたら売り飛ばす算段を
宿主が話しているのを聞いてしまい、寸でのところで逃げ出したこともある。

・・・これであの刺青が入っていたならどうなっていたことか。
村を出たところで、直ぐに出戻る羽目になったに違いない。

ファラモンは、城下町ということもあり人の往来も活発だったので紛れることは難しくなかったが、
他の小さな村では、ただでさえ『余所者』というだけで敬遠されがちなのに、この容姿所為で長居することも
できなかった。

お陰で、『何処かの村で働きながら冬越しプラン』も早々に却下せざる得なかったのだ。

(ポーパスより認知度が低いってさー・・・どうかと思うんだよなー・・・)

ランブル族と話した時を思い出し、軽く凹んでみる。

普通に他の所と交流があったなら、こんな扱いされることはないはず。一応人型なんだし。
一族しか通れないような迷路でぐるっと囲んで、更に自分達も出て行かないのであれば、血が濃くなって
こうなるのは当たり前だ。

「・・・さて、ここには何軒宿屋があんのかなー」

放っておけば延々と唱え続けることができるであろう恨み節から、ひとまず思考を現実へと引き戻す。
まだ日暮れまでには間があるが、早めに宿を探さないといけない。
一度目に入った場所で泊まれるとは限らないのだから。

こんな所で野宿すれば・・・雪山を避けた意味がなくなる。

フードの襟元を掴むと、歩調を早める。
小雨に変わったとはいえ、ぬかるんだ地面から染みこむ水は、歩くたびに足先から感覚を奪っていった。



2009.02.13 UP -side.Komame

ティアクライス部屋更新

  • 2009/02/13

ティアクライス部屋

  • こまめ…「風のさき・1」

今回は続き物になります。私も先を楽しみにしてまーす!!

過去最速

  • 2009/02/13

昨日の夕方エクスパックに託した荷物が今日届いてました。

どうした郵●公社…。

タイミングの問題だとは思いますが、今までこんなに早く届けてくれた事が無いので吃驚です。今までの最長は3泊4日がかりだったのに!!
送った片割れは…メール通りにしてみようと画策中。添える言葉はピンクとかで書いてもいいかなー?

ティアクライス小説

  • 2009/02/12

インテ前に大騒ぎした割には、原稿だの2週目だので手を出せなかったんですが、三都も終わったので昼休みに地道に~1章づつ読んでます。
(あ、でも今日は最後の最後に小出しされて耐え切れずに2章分読んだ。苦笑)

ネタバレって程でもないですが、一応折りたたみ

トッシュたちとか、海賊親子とか(教科書に出てきそうな海賊のナリして、中身は違うとか。っていうか娘が可愛い…)
いつでもにこにこ笑顔な謎のおにーさんとか。
(でも、目がー目がー。笑)
小説版のキャラもとても良い味出してるなーという感じですが。

4章の最後で4人で来て船団燃してた鬼に魂全部もってかれました。
(で、耐え切れずに5章も読んだ)

星の力使ってる時の文章表現がハンパないんですが…。やっぱりあっちのマリカ(多分)のがおっとこ前だー。
どんだけですか団長&側近。
ついでに、勧誘の仕方も大人です。
先が気になる!!!

他にも『少年陰陽師』の新刊を、完結してるよーと、渡されたので読もうと思います。
ところで先日16巻買った『シルバーダイヤモンド』の15巻が見当たらないんですが、まさかの買いそびれ?買ったような記憶があるんですが、本棚足りなくてどっかにしまっちゃったんだろうか。
あと『ツバサ』の10~13が抜けっぱなしなのを早くなんとかしないと、買ったつもりで永遠に忘れそうです。

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